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諦める力

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「諦める」=ネガティブなイメージを想像していませんか?

でも、「諦める」ことで肩の力が抜けて、人生をもっと気楽に、楽しく考えることができるようになるとしたら、「諦める」ことも悪いことではないのかもしれません

今までの「諦める」のイメージが覆される一冊です♪

こんな人におすすめ

  • すぐに人と比べて優劣をつけてしまう
  • 過去に諦めたことを悔やんでいる
  • 頑張らなくてはと毎日に追われている

やればできる!努力は必ず報われる!という考え方は大切です

けれども、どこかキレイゴトで、信用しきれない部分があるのではないでしょうか?

元陸上競技選手で400メートルハードル日本記録保持者、現在はスポーツコメンテーター・タレント・指導者として活躍されている為末大さんの「諦める力」をご紹介いたします

本書は為末さんの諦めた経験や、周りに左右されない考え方など、本心が書かれていて、とても共感できたし、腑に落ちました

キレイゴトではなく、「諦める」を肯定する、世間の常識にとらわれずに自分のなかでの勝ちにこだわることの大切さが書かれた一冊です

この記事が頑張っても報われないと思っている人の心の糧になりますように......♪

あらすじ

諦める」の言葉の語源は「明らめる」

仏教では、真理や道理を明らかにしてよく見極めるという意味で使われるポジティブなイメージを持つ言葉

目的を諦めなければ手段は変えてもいい

18歳の時に陸上の花形種目100メートルから400メートルハードルへ転向した為末選手。強い葛藤に見舞われて、「割り切った」「諦めた」「逃げた」とネガティブな感情をもち続けていたものの、目的さえ諦めなければ手段は変えてもいいものと気づきます

自分の努力次第で手に届く範囲と手の届かない範囲を見極めて、自分の能力に見合った方向で度量すること、自分の憧れる存在が本当に自分の延長線上にいるかどうかが大切です

人生は可能を減らしていく過程でもある。年齢を重ねるごとに、なれるものやできることが絞り込まれていく。可能性がなくなっていくと聞くと抵抗感を示す人もいるけれど、何かに秀でるには能力の絞り込みが必須で、どんな可能性もあるという状態でもあるのだ。できないことの数が増えるだけ、できることがより深くなる。

第一章 諦めたくないから諦めた P.34

最高の戦略は娯楽化すること。苦しみやつらさという感覚ではなく、純粋に楽しみながら成長することが、成功への近道です

やめるということ

そもそも自分は何がしたいのか。自分の思いの原点にあるものを掘り下げていくと、目的に向かう道は無数に見えてくるが、道は一つしか選べません

スポーツを諦めずに長く続けることはいいことばかりではない。なぜなら、応援してくれる人も責任をとってくれるわけではないし、全ては自分の責任になる。「せっかくここまでやってきたんだから」と言って、願望を希望と錯覚し、やめ時を見失いがちです

やめると踏ん切りをつけるタイミングは「体感値」でしかありません

全力で試してみた経験が少ない人は、「自分ができる範囲」について体感値がない。ありえない目標を掲げて自信を失ったり、低すぎる目標ばかり立てて成長できなかったりしがちである。

転ぶことや失敗を怖れて全力で挑むことを避けてきた人は、この自分の範囲に対してのセンスを欠きがちで、僕はそれこそが一番のリスクだと思っている

第2章 やめること について考えてみよう P.59

人には自分が今歩いている道の横に、平行して走っている人生が必ずあり、「この道が唯一の道ではない」と意識しておくこと、今走っている道がどこにつながっているのかを考えてみることによって、選択肢が広がります

他者からの希望の願望に配慮しすぎず、向いていないと言ってくれる人の意見も大切にすること

飽きたという理由でやめてもいい、常に自問自答して、自分で設定したルールと締め切りを守って、ここでやめようと思った時にきっぱり終わらせることが大事です

オリンピックで見えたもの

一般の人は成功者の言葉がさも実現可能な言葉であるかのように錯覚するが、メダリストの何十倍、何百倍ものアスリートが負けている。諦めなかったけれど、結果が出ないのが現実です

そのスポーツに人生をかけている人のほうがウケがよく失敗しても許してもらえるが、他のキャリアというオプションを持っている人は負けると叩かれるのが日本

欧米人はコーチは雇うもの、日本人はコーチに師事のするものと、コーチの位置づけも異なっていて、コーチを頻繁に替えられない競技もあり、更にコーチをつけなないアスリートは厳しい目で見られてしまうのが現状です

自分のものさしを大切にする

「どこで勝つか」より「何が勝ちか」をはっきりさせておくことが、自分が本当に勝ちたいフィールドでの勝利につながる。目の前にランキングを意識する必要はありません

毎日意識的に「どっちがいいか」と自分にとって大事なものも選択し続けることで、自分なりのランキングは徐々に出来上がっていくものです

努力には、「どれだけ」がんばるか以外に、「何を」がんばるか、「どう」がんばるかという方向性がある。「何をがんばるか」という選ぶ努力には、冷静に自分を見てだめなものはだめと切り捨てる作業がいるため精神的につらいものだが、「積み重ねる努力」に必死になり、「選ぶ努力」を怠って空回りしている人は多いものです

意味と価値が過剰に求められる現代だからこそ、「たかが」「あえて」というスタンスで生きるほうが生きやすいのではないでしょうか

「夢はかなう」「可能性は無限大だ」という考え方を否定するつもりはないけれど、だめなものはだめ、というのも一つの優しさであるというのが、為末さんの考え方です

成功という執着や今という執着から離れることで、人生が軽やかになるーこれが僕の言いたいことである

第6章 自分にとっての幸福とは何か P.232

最後に

為末さんの飾らない、自分の考えをはっきりと持っていて、かつ冷静に俯瞰できている姿に魅力を感じました

スポーツのアスリート選手と言うと、スポーツのみに専念してきたのかなと思いがちですが、そうではないのだなぁと。人には分からないところで考えたり、努力したり、割り切ったり、色々なことを学んでいる姿が伝わってきました。自身がトップアスリートであったにも関わらず、一歩引いた立場から見ている文章にとても共感が持てました

オリンピックって、特にこれといって好きなスポーツがあってずっと応援してきたわけでもなくても、つい応援したくなるし、結果に一喜一憂しますよね

本番で頑張っている姿を見ると、これまで想像もできないくらいの努力をしてきたんだろうなと過程を想像して感動してしまうんだと思います

練習はもちろん、上手くいかない時やモチベーションが上がらない時などの気持ちのコントロールって表には伝わっていない部分での葛藤ってすごく多いんだろうなあと。

そして、その裏側にはあと一歩のところで表の舞台に立てなかった人が沢山いると思うと、更に感動してしまいます

どんな結果だろうと、試合後の選手のインタビューでは「この競技が好き」「楽しかった」と言って欲しいといつも思っていましたが、本書を読んでその気持ちが更に深くなりました

アスリートの心の中が知れた気がして、人として身近に感じられて、スポーツ選手の見方が変わりました

気になる方は以下のリンクからどうぞ♪

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穏やかに、心地よい毎日を作る方法を発信する30代3児ママ。 ♩毎日が楽しく、日常に感謝できる様になる本をご紹介。 自己啓発、ビジネス書、小説などジャンルを問わず読書が大好き! 年間150冊以上読みます。 ♩時短につながる家事や美容も紹介しています。 訪れてくれた方にほっと一息ついてもらえる場所になりますように...♡

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